座談会参加者
左:石川ともみ(スタイリスト、ファッションディレクター)
女優・タレント・広告を手がけるスタイリストのアシスタントを経て独立。2014年、資生堂主催のスタイリストコンテスト『Beauty Stylist Cup』で全国グランプリを獲得。個々の個性を生かしつつ女性らしさを大切にしたスタイリングで、“美人を作るスタイリスト”として、個人向けスタイリングのほか、メディアへの出演、企業の女性向け企画アドバイザーとして活躍中。http://lulustyling.com
中:中津悠希(ファッションエディター、スタイリスト)
高校在学中に、女性ファッション誌『JJ』に企画を提案したことがきっかけで、大学入学と同時にエディター業とスタイリスト業を開始。『CLASSY.』『JJ』『MAQUIA』などのファッション誌・美容誌を手がけながら、書籍の編集・執筆、オフィシャルブログ(http://ameblo.jp/kobe-yuki-n/)での情報発信、TV・ラジオへの出演など、あらゆる面からファッション・流行・ライフスタイルを提案する。
右:林智子(クローゼットオーガナイザー)
自宅の収納環境を整えながら、各個人に合ったライフスタイルファッションを幅広く提案する「クローゼットオーガナイザー」として活躍中。SMART STORAGE!所属。オフィシャルブログ(http://ameblo.jp/hayashitomoko/)では私服や着こなし術を紹介しており、数多くのフォロワーを抱える。近著に『「毎日楽しい!」おしゃれをつくるコーディネートLESSON』(ワニブックス)がある。
ユニクロの今期のジーンズは「RE-JEAN.」と銘打って、シルエットとはき心地を徹底的に向上させた自信作ばかり。今回は、そんな大注目のジーンズをコーディネートのプロに試していただく座談会を開催。種類豊富なジーンズそれぞれの、トレンドを取り入れたはきこなし術を教えていただきました。ジーンズを変えるだけで、コーディネートの幅がぐんと広がります!
■大人の女性にふさわしいジーンズスタイルとは?
──まずは、皆さんがジーンズを選ぶときに重視していることを教えてください。
中津「“シルエット”ですね。スタイル良く見える形が一番大事です」
林「私は“動きやすいこと”と“キレイに見えること”を優先します。今回あらためて意識してユニクロのジーンズをはいて、そこの進化にも驚かされました」
──毎年進化をしているユニクロのジーンズで、その辺りをどのように体感いただけたかもぜひお聞きしたいですね。石川さんはいかがでしょうか?
石川「実は私、ジーンズに苦手意識を持っていて……。もともとあまりカジュアルな格好をしないのと、お尻と太ももが気になるので(笑)、ピタっとしすぎず、大人っぽく見えるものを選びますね」
林「ジーンズってそもそもカジュアルなものだけど、ヒールとかシャツとか、キレイめなアイテムと合わせることでグッと大人っぽくなりますよね」
石川「それと、合わせるウェアの素材感やアクセサリーのチョイスも重要です。トップスには、とろみのある素材のものを合わせることが多いかな。アクセサリーは、華奢なものと合わせると女性らしく見せられますよ」
──それではさっそく、皆さんに選んでいただいたジーンズのスタイリングを見ていきましょう!
■定番ジーンズはほかのアイテムでトレンドをプラス!「スリムフィットジーンズ」
定番ストレートシルエットのノンウォッシュタイプ。色落ち感のないもののほうがキレイにまとまる。
《着用アイテム》
スリムフィットジーンズ
※ほかはすべてスタイリスト私物
林「私はピタっとしたジーンズがあまり得意ではないので、少しゆったりとしたスリムフィットジーンズを選びました」
──ノンウォッシュだとちょっと硬くてはきにくいイメージなのですが、はいた感じはいかがですか?
林「最初から柔らかくてはきやすいので驚きました!」
──コーディネートのポイントを教えてください。
林「光沢感があるものと合わせると大人っぽく見えますね。なので、靴やシャツで光沢感があるものを選んでいます」
石川「小物の素材感で、印象がかなり変わりますよね」
林「ビッグシルエットのシャツがはやっているので、ワンサイズ上を選んで今年っぽさを出しつつ、色も自分の得意カラーでもあり、今年はやりのカーキをチョイスしました」
──ほかのアイテムを合わせるとしたら、どんなものを選びますか?
林「コットンニットを1枚でさらっと着るとマッチしそうですね」
──小物使いもポイントになりそうですね。
林「シャツと同じく、今年はやっている細めのベルトを合わせました。ベーシックなジーンズだからこそ、ほかでトレンドをプラスするといいと思います」
中津「このジーンズ、リヴェットとかボタンがほかのものと違うんですね」
林「気づかなかった! シルエットもディテールも、女性らしいラインというよりはクラシカルな形なので、まわりにもってくるアイテム次第で、女性らしくもマニッシュにもスタイリング自在です」
■体型をカバーしながらスタイルアップ!「スリムボーイフレンドフィットアンクルジーンズ」
太ももやお尻まわりにゆとりのあるボーイフレンドジーンズ。インディゴのノンウォッシュタイプで大人っぽいコーディネートに。
《着用アイテム》
スリムボーイフレンドフィットアンクルジーンズ
※ほかはすべてスタイリスト私物
石川「ボーイフレンドジーンズはサイズ選びがポイントです。お尻と太ももが気になる人は、骨盤にぴったりフィットするものを選びましょう。太ももやお尻で合わせてしまうと全体にボリュームが出てしまうので」
──ロールアップの仕方でポイントはありますか?
石川「ロールアップの幅は、太すぎず細すぎずの絶妙なバランスなんです。太くすると横幅が強調されてしまい、細すぎるとジーンズの濃い色が目立って太ももが強調されてしまいます。もともと短めなので、ロールアップしてちょうどいいつくりになっていると思いますね」
中津「ボーイフレンドジーンズは、ロールアップでラフさを出せばメンズライクにもはけますしね」
林「今年っぽくはくならロールアップして、ヒールが高めのブーツやパンプスと合わせるのがいいかも!」
──石川さんは普段、パーソナルスタイリングも手がけられていますが、ジーンズが苦手な人にされるアドバイスはありますか?
石川「キレイめが好きな人が多いので、コーディネートの中に鋭角のものを入れると大人っぽく見えるとアドバイスしています」
──ほかに合わせるとしたらどんなものを選びますか?
石川「薄手のハイゲージニットで、女性らしいものを合わせたいですね。ジーンズの色の合わせ方でかなり雰囲気も変わってくると思います」
■スキニー初心者の最初の1本はこれ!「デニムスラウチジーンズ」
股上が深めで太ももまではゆとりがあるので、はくだけでハイウエストなシルエットに。膝から下がフィットしてスキニーのようにはける。
《着用アイテム》
デニムスラウチジーンズ
フランネルチェックシャツ
※ほかはすべてスタイリスト私物
中津「シャツを片方だけインして、ハイウエスト感をさりげなく強調しました。トップスに少し膨らみをもたせながらインすることで今年っぽく見せることができるし、脚長効果も狙えます」
林「それに、すごくはきやすそう!」
中津「スウェットをはいているみたいに楽ちんなんです。でも、膝あたりからフィットしてスキニーのようにはけるので、普通のハイウエストのパンツよりもスタイル良く見せやすいですね。このジーンズは、誰がはいてもこなれて見えると思います」
石川「はくだけでおしゃれ上級者になれるってことですね」
──靴の合わせ方でポイントはありますか?
中津「ポインテッドトゥや甲の部分があいたもののほうが、脚が長く見えますね。フラットな靴でも合うと思います」
石川「ひざ下がすっきりしていてスキニーのようにはけるので、靴とのバランスがとりやすいですよね。くるぶしくらいの短めにカットして、ローファーなどと合わせるのもアリかも」
──ほかに合わせるとしたら、どんなコーディネートがオススメですか?
中津「ゆったりしたカットソーを、今回のようにゆったりした膨らみをもたせながら前だけインしたうえに、トレンチコートやカーディガンを羽織ったり、ショート丈のプルオーバーを合わせても今年っぽいですね。あと、スニーカーをはきたいという人は、トップスにボートネックとか深めのVネックを合わせるとすっきり大人っぽく着こなせると思います」
■全員が興味津々! 最新機能を備えた「スマートシェイプジーンズ」
はくだけでウエストから太ももがすっきり見える「シェイプバンド」が入った機能性ジーンズ。ジャケットやストールなどのキレイめアイテムと合わせて、オンもオフも“きちんと感”をプラスしたい。
石川「ジーンズがカジュアルで重さがあるアイテムなので、パールのアクセサリーや、ラメ入りなどの光沢のあるバッグを合わせると、素材感の違いで軽さや華やかさが出てバランスがとれるんです。秋冬は色が地味になりがちなので、キレイなピンクを持ってきました。濃い目のピンクは大人っぽく着こなせるので、ストールなどの小物に色目を持ってくるのがオススメですよ」
林「ジーンズ以外がフェミニンだと、ジーンズであえて外した“こなれ感”が出ますよね」
──こちらは最新機能の“スマートシェイプ”を搭載したジーンズですが、どんな方にオススメできますか?
石川「これ、すごいんです! お腹まわりを自然に押さえてくれる機能がついているので、ぽっこりお腹が気になる方も自信を持ってはけると思います」
林「これがあればチュニックに逃げなくてもいいですね(笑)」
中津「トップスを腰まわりでゆったりとインしても、ウエストが気にならない!」
■体型を隠さず、合わせるアイテムで視線を散らす!「ウルトラストレッチジーンズ」
スキニーデニムの王道シルエット。キレイめとカジュアル、どちらのスタイルにもマッチするので、1本持っていると重宝する。
──スキニーだと、体型を気にしてはけないという人も多いですが……。
中津「ひげが入っていることで、薄い色を選んでも細く見せる効果があります」
林「チュニックでお尻まで隠そうとしがちですよね(笑)」
中津「トップスで隠そうとしなくてもスタイル良く見せることはできるんです。今回のように、ゆとりのあるプルオーバーでも短めの丈をセレクトし、ストールやマフラーでボリュームを出して、足元はヒールかデザイン性のあるフラットシューズを持ってきます。こうすることで視線を散らす作戦です。それでも太ももやお尻が気になるという人は、短めのトップスにシャツやカーディガンを腰巻きすると、スタイル良く見せられます」
──ロールアップしてもキレイに見えそうですね。
中津「ジーンズ自体が少し長めなので、個人的にはわざと短めに裾上げしてはいています。くるぶしが見えるくらいに。そのままか、細くひと折りすると、足首がすっきりキレイに見えますよ」
■驚異の伸縮性! スキニーにもレギンスにもスポーツにも「デニムヨガパンツ」
ヨガをしても大丈夫なほど伸縮性があるのが特徴。ウエスト部分を隠せば、スーパースキニーやレギンスとしてのコーディネートが可能。
林「これ、すごく伸びるから、屈伸が何回でもできる感じです(笑)。ピタピタ感がなくはけて、とっても快適!」
中津「これなら、ロングカーディガンを合わせれば、スキニーが苦手な人もチャレンジできそう」
林「そうそう! かなり細いのでロング丈のトップスが合いますね。秋ならネルシャツを合わせてもいいと思います」
──こちらのジーンズは通気性の良さも大きな特徴です。
林「名前のとおりヨガでも使えちゃいますね。ヨガが終わったら、そのまま上だけ着替えれば出かけられそう!」
■ジーンズのおしゃれは、「我慢」じゃなく「快適」なのが新常識
林「ジーンズというと、“カジュアルになりすぎちゃう”とか“はき慣れるまで硬い”と感じてしまいがちでした」
石川「でも、このジーンズならはくだけでスタイルアップできるし、そのうえ部屋着みたいなはき心地なのがうれしい! ジーンズのイメージが変わりました」
林「ジーンズのおしゃれは“我慢”じゃなくて“快適”なのが新常識ですね」
中津「毎年、少しずつバージョンアップしていますよね。はくだけで“こなれ感”が出せるってありがたいですよね」
林「定番のアイテムだからこそ、毎年更新してあげることで、おしゃれ度がぐんと上がりますよね」
中津「これまでは手にとってこなかったタイプにチャレンジしたり、なりたいイメージに合わせてジーンズをはき替えたり……今年はぜひ、ジーンズでのスタイルアップに挑戦してほしいですね!」