冬の定番として人気の“暖パン”。機能的で実用的なアイテムですが、もちろんそれだけじゃない。今季はさらにシルエットを洗練させ、ディテールにもこだわることでファッションとしての魅力も十分に備えたアイテムに仕上がっています。「実はこの暖パン、僕も去年のものを持っているのですが、今年は改良されてかなりコーディネートもしやすくなっています。かなり使えるんじゃないかな」とは、人気スタイリストの小松嘉章さん。今回はその小松さんが考える暖パン着こなし術を教えてもらいました。
スタイリスト小松嘉章さん
メンズノンノを始め、雑誌や広告まで幅広く活躍する人気スタイリスト。トレンドと先進性を盛り込むのはもちろん、着る人を引き立てるスタイリングでミュージシャンや俳優からの信頼も抜群。シルエットのバランス感や色のコンビネーションなど、感覚と経験に裏打ちされたクレバーなスタイリングは必見。
=ウォームイージーストレッチパンツ〈ジョガー〉:グレー=
シックなアースカラーで
暖パンシリーズの中でも、このウォームイージーストレッチパンツ〈ジョガー〉が一番今っぽい。裾リブっていうデザイン性はもちろん、細身でシルエットもいい。いろんな着こなしで楽しめるんじゃないかと思います。今回はアースカラーでまとめたのもポイントですが、パーカの下にタートルネックを重ねたのが重要。コート、パンツ、パーカとスポーティなアイテムでまとめながら、首元からパンツと色あわせをしたタートルネックカットソーをのぞかせることでちょっとシックなムードが出る。これがあるとないとでは大違いだと思います。それとステンカラーコートの袖をすこしまくっているのもポイント。
=ウォームイージーストレッチパンツ〈ジョガー〉:ネイビー=
色数を絞るとモダンに映えます。
ウォームイージーストレッチパンツ〈ジョガー〉のネイビーバージョン。最初のコーディネートはスポーティな要素を生かしたのに対して、こちらはキレイめのトラッドスタイルがベース。それをパンツでカジュアルダウンするという考え方です。ここで色をあまり使いすぎると子供っぽくなったりカジュアルになりすぎたりするので、潔くネイビーとグレーの2色でまとめるくらいがモダン。ニットもクルーネックではなくタートルネックを選んで品良く仕上げながら、あえてパンツはジョガーというのがこなれ感があっていいんじゃないでしょうか。
<その他の着用アイテム>
ウールブレンドダッフルコート
=ヒートテックストレッチノータックパンツ=
こんなパンツがうってつけ
まずポイントとなるのはパンツの裾丈。ジャスト丈ならベーシックなスラックスとしてもはけますが、よりトレンド感のあるスタイリングを狙うなら思い切ってくるぶし上くらいまで上げてしまうのも手。一気に洒落感が出ると思います。この幅の広さもこのパンツの魅力ですよね。パンツがセンタプリーツ入りで品があるのに対して、アウターはあえてボリューミーなダウンを選択。それと、ここは好みが分かれるかもしれませんが、インナーのニットをパンツに入れてベルトを見せるのも、ちょっとモード感のある着こなしを楽しむならオススメですね。
=ヒートテックスリムフィットジーンズ=
クリーンなジーンズで軽く見せる
ヒートテック素材を使用した暖パンは、特に厚手というわけでもないし素材感もいい。普通のホワイトのスリムジーンズとしてコーディネートできるアイテムです。ここでのポイントはブラウンとホワイトのカラーコンビネーション。冬にホワイトジーンズって意外に思う人もいるかもしれませんが、こういう組み合わせはオススメ。クリーンさと温かみを兼ね備えたスタイルだと思います。シャツの腰巻きでアクセントをつけると装い慣れた感じが出るんじゃないでしょうか。
<その他の着用アイテム>
防風ムートンフリースジャケット
ソフトタッチタートルネックT(長袖)
=ウォームイージーストレッチスリムパンツ〈リップ〉=
ロールアップもスマートに収まる
これは裏地がフリース素材になった暖パンですが、シルエットがかなりスリムでそれを感じさせない作りがいいですね。今回はあえて裾をまくってフリース素材をコーディネートのアクセントに利用してみました。印象がシャープに収まっているのは、このパンツの絶妙なテーパードシルエットのおかげ。裾をまくることでさらにそれが強調されます。スポーティなアイテムでまとめている分、カジュアルになりすぎないよう色はシンプルな2トーンでモダンに。もしかしたらジャストサイズよりもワンサイズ上のサイズを選んで見るのもいいかもしれません。そうやって好みのバランスを探してみるのも楽しいですよ。
<その他の着用アイテム>
シームレスダウンパーカ
=ウォームイージーストレッチパンツ〈カーゴ〉=
シックに落とし込むのが今季的
僕が持っているのがこのタイプ。今年はシルエットがさらに細身になっていい感じでアップデートされていますね。今季はアウトドアブランドのパンツを普段着に使うのが人気ですが、これも同じ発想でコーディネートしました。ポイントは、ナイロン素材とウール素材のコンビネーション。スポーティなアイテムにきちっとした素材感のものを合わせるギャップを楽しむスタイルです。素材感の違いを強調するために色はブラックで統一。同時にスポーティさも少し抑えられて、都会的な雰囲気を出すことができます。パンツは裾にドローコードが付いていて絞ることができますが、ここはあえてストレートが僕のオススメ。もちろん裾を絞ってはいてもOKです。
<その他の着用アイテム>
ウールカシミヤチェスターコート
ウルトラライトダウンシャツジャケット
ソフトタッチタートルネックT