8月5日、6日の2日間、福島の3つの高校の生徒たち合計5名がユニクロいわき平店での職業体験プログラムに参加しました。2011年3月11日の東日本大震災前、彼らの多くは福島第一原子力発電所避難区域内に住んでいました。現在福島県内のいわき明星大学の校舎を借り、学校ごと避難しています。
震災当時中学生だった彼らも、現在高校2、3年生。卒業後の進路を考え始める時期です。普段は一緒に避難してきた同級生や家族といった、限られた世界の中で生活しています。生まれ育った場所にはしばらく帰れない現実を受け入れ、新しい土地で生活を築いていく覚悟を決めている生徒たち。震災前は地元の企業に就職するケースがほとんどでしたが、地元企業とのネットワークや先輩などのロールモデルがなくなってしまった今、まっさらな状態から一人ひとり、手探りで自分の進むべき道を探しています。彼らが自分たちの可能性を広げ、また地域とのつながりをつくるきっかけになることを願った、職業体験プログラムでした。
職業体験ではまず、笑顔や挨拶といった、ユニクロで働くための基礎を学びます。開店時には買い物カゴを持ってお客さまをお出迎え。生徒たちは初めての経験に、緊張した面持ちです。
営業時間中には店長と一緒に店内を周り、商品をきれいにたたんだり、売り場に商品を補充したりしました。また、お客さまとして来店している時には知らなかった、段ボールから商品を出したり、商品を一つずつ袋にいれたりする作業も実施!
「一人のお客として店舗を見るのと、店員として見るのとでは、見えるものが全然違った。こういう仕事もあるんだと初めて知って、興味がわいてきた」
「ものを売るということは、商品を売り込むというより、お客さまのことを考えることだと分かって、見方が変わった」
「みんなが自分らしく働いている。私も自分の好きなことを、周りの人と協力しながらやって、お給料をもらえるような仕事がしたい」
8月20日と21日にはユニクロ郡山日和田フェスタ店にて、別の高校の生徒たちが職場体験プログラムに参加します。自分たちの進む道は、自分たちが知っている世界の中でしか選べません。ユニクロで経験する2日間。それが少しでも福島の高校生たちの世界を広げ、彼らが自分の未来を考え、人生を切り拓いていくきっかけになることを心から願っています。
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