Clothes for Smilesプロジェクトは、ユニクロが行うCSR活動の一つです。2012年秋冬のヒートテックとウルトラライトダウンの売り上げから10億円のファンドを設立し、そのうち5億円が未来をつくる子どもたちのための8つのプロジェクトに、5億円がユニセフの支援に活用されています。
すべての子どもたちが学校に通えるようにという願いのもと、ユニクロは日本企業として初めてユニセフとグローバルアライアンスを結び、ユニセフのSchool for Asiaイニシアチブをサポートしています。中国、フィリピン、バングラデシュの3カ国で「子どもにやさしい学校」を広め、子どもたちが初等教育を終了し、自分の力で未来を拓いていく基礎を築けるよう、応援しています。
中国では全人口の約35%が適切な衛生設備を使えず、特にユニクロとユニセフがプロジェクトを実施している農村部では、90%の学校に衛生的なトイレがありません。そのため下痢などの病気になる子どもが多く、別のユニセフの調査では約40%の子どもが、過去2週間の間に下痢になったという結果も出ています。
今回は支援対象校のうち、重慶市中心部から車で3時間ほど離れたところにある、忠県の2つの小学校を訪れました。最初の学校は4階建てで、教室の中には大きな電子モニターが設置されている立派な学校です。ところが、この学校のトイレは決して衛生的とは言えず、また仕切りがないため特に女の子のプライバシーも守られていない状態です。
次に訪れたのは、ユニクロの支援により、ユニセフがトイレを改修し手洗い設備を設置した学校。簡易ではありますが水洗になり、女の子用のトイレにはドアのついた個室もできていました。外には手洗い場も設置されています。
訪問したのは給食の前だったので、手洗い場には子どもたちが次々と訪れ、壁に貼られた手洗いの6ステップを確認しながら念入りに手を洗っていました。「子どもにやさしい学校」には、子どもたちが安心して勉強ができ、下痢などの病気や生理などのために学校を休むことがないよう、衛生的な環境づくりと手洗いなどの衛生教育が重要なのです。
今回訪れたような農村部の学校では、両親が出稼ぎに出ている「留守児童」が多くおり、学校の寮で生活する子どもたちもいますが、たとえ両親のもとから離れていても、子どもたちには笑顔が見られ、みんな逞しく、きらきらした目をしています。そんな彼らが衛生状態の悪さが原因で病気になって学校を休み、授業に遅れることのないよう、ユニクロは「子どもにやさしい学校」プロジェクトを推進していきます。
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